【大福屋☆和の文化教室】人気の香道体験 香は嗅ぐのではない『○く』⁉︎
大福屋では着物を着る機会として、
また、日本の文化に親しむきっかけとして
『お香を楽しむ会』を開催しています。
なかなか体験できる機会が少ないこともあり
毎回とても人気のある文化教室です。
香道では 香りは嗅ぐとは言わず
『聞く(きく)』といいます。
ですのでタイトルの〇に入るのは聞くの『聞』ですね。
香りなのにどうして『聞く』というのでしょう・・・
このブログでは『香を聞く』という言葉から
普段とは違うお香の楽しみ方を紐解いてみたいと思います。
もくじ
お香を楽しむって・・・
どういうこと?
お香を楽しむと一口に言ってもその楽しみ方はさまざまです。
大福屋の体験イベントでは
聞香(もんこう)といって
聞香炉(ききこうろ)を使って
香木(こうぼく)の香りを楽しんでいただきます。
香道では香りは『嗅ぐ』とは言わず 『聞く』と表現すると言いました。
聞香(もんこう)とは、文字どおり、
香炉から「香りを聞く」ということ。嗅ぐのとは異なり、
心を傾けて香りを聞く、
心の中でその香りをゆっくり味わうという意味。山田松香木店ホームページより
単純に『香りを鼻から匂いを嗅ぐ』のではなく
『五感を使ってよーく味わうという意味です。
これは私なりの考えなのですが、
『心を傾けて香りを聞く』という部分は
香りから受けるイメージやインスピレーションを大切にすること・・・
といってもいいのではないかと思っています。
『香りを聞く』とはとても美しい日本語です!
また、中国語の『聞』という言葉には
『曖昧、不明瞭を努力して探し出そうとする』とか
『ものの本質を探求する』
という意味もあるのだそう。
言葉の意味から考えると
香木の香りを聞くときには感覚を研ぎ澄ませて香りに集中する、
という意識が大切なのでしょうね。
どんな香りを『聞く』の???
聞香体験で聞いていただく香りは
香木(こうぼく)です。
この写真の中央、小さく透明な板の上にあるものが
「香木」です。
灰の下には「たどん」という火のついた小さな炭が埋めてあり
間接的に香木に熱が伝わるしくみになっています。
香木とは
加熱することで香りを発散する、樹脂を多く含んだ天然の樹木。南アジアの高温多雨地区に自生する。沈香、白檀がその例。
NHK『美の壺』香道具より
この香木の香りを聞くときは
聞香炉を左手のひらに乗せ、右手で軽く覆うようにして
顔を近づけ 香りを吸い込みます。
聞香炉が手の中に収まるほど小さく
余計な飾りのないすっきりした筒型なのは
この所作と聞く行為に集中するためだと言われています。
代表的な香木は
- 伽羅(きゃら)
- 沈香(じんこう)
- 白檀(びゃくだん)
などがあります。
参加する時に気をつけることは???
最後に
このような聞香体験に参加していただくにあたっての
マナーや注意していただくとスマートなことを書いてみたいと思います。
香水など『香り』のあるものを身につけない
聞香体験のテーマは
香りをじっくりと味わうということ。
そのため当日の
香水やコロンなどの使用は控えましょう。
科学香料の多い香水に比べて
天然の香木の香りはとても繊細なものです。
香水の香りが気になって香木の香りに集中できない、
香りが聞けないということがあります。
特にご一緒されるまわりの方にも
ご迷惑をおかけしてしまうのでご注意ください。
指輪、ネックレス、帯留めなど
装飾品などは控える
これはお茶席とも同じなのですが、
聞香のときも装飾品は控えましょう。
これは聞香炉などお道具を傷つけないためです。
装飾品とは、
- 指輪
- 時計
- ブレスレット
- ネックレス
- 帯留め
をいいます。
お香の席もお茶席同様、
その時間・空間をご一緒の方と気持ちよく過ごすということを
大切に考えていただければいいと思います。
いかがでしたか?
お香は嗅ぐのではなく「聞く」こと
お香を聞く際に気をつ蹴ていただくといいことを
まとめてみました。
今回のお香の会は
特に香りを味わっていただく時間をゆっくりととりました。
非日常の空間を楽しんでいただけたらと思います。