【若女将アッコの結城紬白熱教室】読んだら絶対欲しくなる⁉︎ いしげ結城紬 お、ねだん以上! その理由
日本全国に紬を織っている産地がたくさんあります。
今回の個展では結城紬を特集してお届けしたいと思います。
この記事は
- きものに興味のある方
- イベントの前に紬を結城紬ちょっと知りたい
- イベントに行きたいけど行けなさそう。。泣
という方のために書いています。
みんなのあこがれ❤︎結城紬
結城紬。魅惑の着物ですね。
着物が好きな方、よく着られる方は
『結城紬』と聞くだけで・・・
いまとなっては着物の最高峰であり
『いつかは欲しい』
というお声が私のもとにはよーく聞こえてきます。笑
「本場結城紬」といえば絹織物の最高峰!
知れば知るほど良いのはわかるのですが
自動車が買えるほどの予算って・・・
((((;゚Д゚)))))))‼︎
さすがに現実的ではないです。。
結城紬は目の保養ですよね💡
これはもっともなご意見だと思います^^
ですが・・・!
お求めやすい現実的な結城紬があります。
今回はお求めやすくて、着やすい
かつ、工程の内容が濃いっっ!
(↑個人的にここ大事)
「いしげ結城」について
お話ししますね。
いしげ結城紬ってどんな着物?
いしげ結城紬は
『いしげゆうきつむぎ』と読みます。
茨城県常総市(旧結城郡石下町)で生産される正絹紬です。
お値うちだけどなかなかの実力派!
“いしげ結城紬”
結城紬のなかでも
「着物ラバーの憧れの一枚」というのは
本場結城紬
ホワホワの感触
素朴な味わいがあり素晴らしいのはわかるけど・・・
その行く手を阻むのは予算
結城紬の温かみのある素朴な雰囲気ががいいなぁと
思うなら諦める必要は全然ありません!
結城紬のなかでも
「いしげ結城紬」は
自分のものにするチャンスです!
色使いも多彩で「いま」の時代のおしゃれ着として
目が離せない存在です💡
いしげ結城紬は
結城紬のなかでも本場結城紬に比べると
手作業の分量が少ないという部分でコストが抑えられます。
その点でお値打ちにお求めいただくことができます。
気に入った結城紬の色や絣の文様がとってもスキ❤︎
ということであれば
「本場」とか「いしげ」に執着するほどこだわる必要もないと・・・
なにがちがうのか詳しく知りたいです!
いしげ結城紬ってどんな着物???
同じ「結城紬」という言葉がつくだけにわかりにくいですよね。
ここでは結城紬の特色である
-
糸紡ぎ
-
絣づくり
- 織り
この3点に焦点をあてて
いしげ結城紬の特徴を見ていきましょう。
糸紡ぎ
いしげ結城紬では糸は主に真綿手紡糸や生糸などを使います。
①手紡糸
手紡糸は「てぼうし」と読みます。
これは真綿から機械で撚り(より)をかけながら
ひきだした糸をいいます。
茨城県結城郡織物協同組合公式ウェブサイト
「手紡」と聞くと昔ながらの糸車を手で回しながら糸づくりが行われてる・・・(眠れる森の美女?白雪姫?にそんなくだりがあったような)
と思いきや!
いまとなっては動力を使い工業的に量産されている場合がほとんどです。
手紡機を使った手紡糸は撚りがかかった状態。
下の写真は手紡糸ではないのですが、一般的に糸によりがかかった状態は拡大の写真を見ていただくとわかりやすいと思います。
写真左:撚りがかかる前の糸
写真右:撚りがかかった糸
日本撚糸工業組合連合会ホームページ
「撚る(よる)」とはねじりあわせること。
“腕によりをかける”とか、“よりを戻す”って言葉、ご存知ですよね。
撚り(縒りとも書きます)は日常会話の中で使われていますが、
「糸の撚り(より)」を語源として出てきた言葉なんです。
日本撚糸工業組合連合会ホームページより
結城紬の場合、
どのように作られた糸を使っているかをとても大切に考えています。
なので、
撚りのない「手紬糸(てつむぎいと)」
と
撚りのある「手紡糸(てぼうし)」
このふたつは明確に区別されています。
一般に紬糸というと動力を使う「手紡糸」のことをいいます。
通常の紬織物はこの手紡糸を使い織られています。
②生糸
いしげ結城紬で使用されているもうひとつの糸は生糸(きいと)。
こちらは絹を真綿ぼうしにせず、お湯で煮た繭の状態から直接繊維を引き出し、やはりこちらも撚りをかけながら糸にしたものです。
いしげ結城紬では織るときに動力織機を使います。
なので、打ち込みのときに動力のスピードに耐えられる強さをもつ糸を原料糸として使用しています。
これは私の個人的な意見ですが・・・
手で紡いだ手紬糸は非常に柔らかく繊細なものです。
地機という糸に負担のかからない織り方をしても縦糸が切れてしまいます。
自動織機で織るには動力のチカラに負けない糸の強さが必要になります。
手紡糸も生糸も動力で撚りをかけながら糸にしています。
手で紡いでいく手紬糸に比べると繊維を束ねてねじりあわせた手紡糸や生糸の方が糸の強さでは圧倒的に強く、自動織機の動力のチカラがかかっても切れにくいということが特徴です。
絣づくり
設計された図案にあわせて糸に絣模様をつけていきます。
その方法は
- 絣くくり方法
- すり込み方法
- 捺染方法
茨城県結城郡織物協同組合公式ウェブサイト
この3種類です。
どのような絣柄を作りたいか?を考えて、絣づくりの方法を使い分けます。
織り
いしげ結城紬は動力織機で製織されます。
絣模様の製織は一本一本柄を合わせながら緯糸を織り込んでいきます。
緯糸の打ち込みに動力は使いますが
絣あわせは織り子さんが確認しながらになるので
完全に機械織りというわけではないのです。
証紙
本場結城紬と同じく
反物の左端から右端に向かって以下の証紙が貼ってあります。
茨城県結城郡織物協同組合では厳正なる品質検査を日々行っております。
この検査をクリアしないと「いしげ結城織物」として世に出ることは出来ません。茨城県結城郡織物協同組合では日々この品質検査を行い、クリアしたものだけにこの合格の印を付けています。
茨城県結城郡織物協同組合公式ウェブサイト
証紙はシンプルにひとつ。
これは茨城県結城郡織物協同組合といって
いしげ結城紬の品質管理のための検査をしている組合の
公式ウェブサイトに掲載されている証紙です。
いしげ結城紬の証紙は
赤文字の部分が「紬」であること
そのとなりの証紙が
糸巻きと織機
一番の右の証紙は若竹色に「検査合格之証」
これ一種類です。
この3点がいしげ結城紬の証紙のポイントです。
で、
結城紬「本場」と「いしげ」
いったいなにがちがう???
いしげ結城紬と本場結城紬、パッと見たところ、
それほど違いがあるわけではない・・・
ような気もしますが。。
確かに見ただけではそこまで違いがあるようには思えない・・・ということですよね^^
本場結城紬といしげ結城紬のちがい!
ズバリいえば「人の手による仕事の分量」だと思います。
本場結城紬はそのほとんどの工程が
「人の手による仕事」
一方、いしげ結城紬は
人の手による工程もありますが
工程のほとんどは動力や機械を使うことができます。
同じ時間で比べるとたくさん作業できる分
合理的なものづくりができます。
その部分が値段に反映されているのですね。
お、ねだん以上!
工程の内容が濃い「いしげ結城紬」
「いしげ結城紬は合理的なものづくり」という着地点にたどり着いたのですが・・・
のちに結城紬の専門家 井上裕司さんから
手紡糸の画像をいただいて感じたことがあります。
以下は私の個人的な意見です。
それは、
「動力を使うとはいえ、この工程、
かなりお手間がかかっているんじゃないかな???」
ということ。
白色のコメントが井上さん、
緑色の吹き出しが私のコメントです。
糸を作るのも動力を使うとはいえ、人の手が必ず必要。
絣をくくるもの人間がくくるし、糸に型をおいて染めるのも人間。
織るときも自動織機とはいえ糸の絣は人間があわせて柄を織っていく。。。
このほかにもたくさん工程はありますが
ほとんど動力と人間の共同作業です。
確かに動力は使うけど、あくまでも人間のサポート。
「いしげ結城紬」には想像以上に人のチカラが必要!
ってことだよなぁ・・・
工程の内容の濃さから考えると10万円前後から手に入る「いしげ結城紬」ってとても良心的に作られているんじゃないのかなぁ。。。
つまり・・・
工程の内容を考えてみるとその割に値段がお値打ち!と感じたのです。
自分の知っていることをベースに調べれば調べるほど
疑問が湧いてきたので、
再度、専門家の井上さんに質問してみると・・・
井上さんのコメントにあるよう
「石下(いしげ結城紬)は本場(結城紬)と比べられて偽物みたいな扱いを受けてかわいそう」
というご意見が・・・
これはものづくりの現場を知っている方のリアルな意見だと感じました!
それぞれの機屋さんが
努力して
真面目にものづくりしていますよ
という部分はぜひ着物が好きな方にはぜひお伝えしたいです!
いしげ結城紬で
- 色や柄が自分に似合うもの、
- 自分がなりたい着物すがたのイメージにあうもの
に出会えれば、
同じ予算でも
- 機械染めの友禅
- 産地が明確でない紬
を購入するよりずっと中身が濃いものが購入できると思います!
必見!いしげ結城紬の工程がわかりやすいMovie
そこでご紹介したいのがこちらのMovie ↓↓↓です。
こちらは「いしげ結城紬」の組合である
茨城県結城群織物協同組合さんのホームページです。
トップページの動画にいしげ結城紬が作られる工程がまとめられています。
いかに人の手がかかっている工程が多いかわかりやすい資料だと思うので
ぜひ一度ご覧ください。
いしげ結城紬の色や柄
いしげ結城紬は柄や色はさまざまあります。
選ぶときのポイントは
「顔映り」です。
結城紬は絹織物のなかでもマットな風合いなので
あまり光沢がある織物ではないです。
特にお顔まわりを絹の光沢感に助けてもらえない分、
大切なポイントがあります!
それは・・・
自分の顔色がよくみえる色を選ぶこと
ここからはご覧のみなさまに妄想していただきつつ(笑)
ほんの一部ではありますがラインナップをご紹介しますね。
結城紬の人気柄 草花
優しい色使いと絣による草花がエレガントです。
↓絣アップ
結城紬の人気柄 雪輪
個人的にとっても好きな一反です。
結城らしくシックな色合いと雪輪の柄のバランスがいいです。
柄アップ↓
人気の“縞”
結城では縞柄は定番。
細かい縞はさりげない着痩せ効果があり女性には嬉しい一枚。
左:杉色/右:水色
↓柄アップ
一世を風靡した“無地”
シンプルで都会的な雰囲気の無地
「最初の一枚目にきものをあつらえるなら結城の無地」
と著名な着付け教室の先生がおっしゃったこともあり、それ以降お問い合わせも多い品物です。
柄がないので、「自分に似合う色」が勝負です。
注目アイテム“無地の夏結城”
竺仙さんの小紋やゆかた兼用の小千谷紬のつぎ、
本格的な夏きものデビューにオススメです。
柔らかい風合いは触っているだけで癒されます❤︎
いかがでしたか?
「結城紬」とひとくちにいっても
いしげ結城紬を本場結城紬は工程がちがい
興味深いものがありますね。
「本場結城紬」と「いしげ結城紬」
値段はさまざまです。
ただ、
値段だけで良し悪しを判断するのではなく
それぞれの特色や個性を知った上で
・自分に似合うもの
・着る目的に沿ったもの
を選んでいただくことが大切だと思います。
また、
この記事の中で度々登場する「本場結城紬」
茨城県西部の結城市を中心に、
栃木県の小山市など鬼怒川流域で主に生産されています。
こちらも読んでいただくと
それぞれの違いがよりわかっていただけると思います。
ご参考になさってください。