次世代大島紬にバージョンアップ⁉︎ 福原さんの大島紬【福ちゃん&アッコの大島紬白熱教室】
5月19日から開催します今回の個展
“福ちゃん&アッコの大島紬白熱教室 Season6”
タイトルどおり大島紬を特集してお届けいたします。
今回のスペシャルゲストはこの方!
ふくちゃんこと
“紬のふくはら” 代表 福原 豊さん
笑顔がとても愛くるしい方です。笑
この記事は
きものに興味のある方、
イベントの前に大島紬をちょっと知りたい、
イベントに行きたいけど行けなさそう。。泣、
という方のために書いています。
もくじ
福原さんの大島紬って・・・
全国の着物Loversたちから熱烈に支持されている福原さんの大島紬。
どんな大島紬なんでしょうか?
福原さんの大島紬って
きれいな色が多くて
軽やかさがあって
一般的な「The 大島紬」のイメージとは全然違うんですよ。
こんな感じです↓↓↓
みなさん
「こんなきれいな色でも大島紬なの?」
「この大島紬なら着たい!」
「コーディネートが楽しめそう」
「自分のお給料で買えるー!」
とおっしゃってくださいます。
ちなみに・・・
一般的な大島紬のイメージって?
大島紬は長年 多くの人の憧れの的でしたし、もちろんいまもそうだと思います。
そんなみんなが憧れる大島紬の一般的なイメージというとこんな感じかな・・・と思います。
- 渋いシックな色
豪華すぎるほどの柄
↑これ絵画ではなく「織り」で描かれたものです(驚!!)
- 高額
着物が「お嫁入り道具」だった昭和の時代は
- 着物が好きな人
- 着物を着る人
以外にも、
いわゆる「お嫁入り道具」として「大島紬を娘に孫に、持たせたい」と思われていました。
「大島紬を着る」ということより「大島紬を持っている」ことに重きを置かれるような感覚が強かったと思います。
そういう側面もあり、
また一部の着物愛好家に満足してもらうためもあり、
製作に手のかかるもの、意匠の凝ったもの、美術工芸的価値の高い大島紬が生まれてきたと私は考えています。
着物は「所有する」時代から「着て楽しむ」時代へ
長年お嫁入り道具と捉えられてきた着物ですが、ここ20年ほど着物の良さが見直され、「所有する」時代から「着て楽しむ」時代へ。
そして、
現代に近づくにつれて高いファッション性を求められるようになります。
すると・・・
これまでの大島紬の特性や持ち味が時代の感覚やニーズとあわなくなってきてしまいました。
泥を染料としているのはわかるし、渋くてかっこいいとは思うけど・・・
せっかく着物を着るんだからきれいな色を楽しみたい!
すごいとは思うけどこんな豪華な柄、どこに着てくの???
もっと気軽に楽しみたい!
大島って高嶺の花。
高価すぎて自分とはかけ離れた世界のもの。
そんな率直なお客様の声がちらほら・・・
そこから生まれたのが福原さんの大島紬。
お父様の助言が福原さんに気づきをくれました。
工場に入るより着る方の中に・・・
福原さんのルーツは奄美諸島のひとつであるのどかな離島である喜界島にあります。
もともとその島でお祖父様が男物の製造をされていたそうです。
戦後、鹿児島市に移りお父様が柄だしと販売、
叔父さまが製造というかたちで家業を引き継ぐことに。
その後「紬のふくはら」を立ち上げます。
家業を継いだ30歳の時です。
工場に入るより着る方の中にいなさい!と父に言われました。
以来、
とにかく着る方の声を聞く!
このスタイルになりました。
そこで気が付いたのです。
作り手のこだわりと着る方の着たいものに開きがあると間違いなく廃れていってしまうと・・・
福原さんのきれいな色、すっきりした大島紬は着物を着る方のなかにご自身が実際に身を置いて生まれたものなんですね!
着る人の「こうだったらいいのに・・・」
「こういう大島紬が着たい」という思いと
作り手主導の従来の大島紬のスタイル、
「大島紬ってこういうもの」という感覚には大きな隔たりがある。
作り手の思いだけを貫いて行くのでは、大島紬は廃れていってしまう・・・と気づくと同時に危機感を感じたのですね。
また、こうもお話してくださいました。
実際にお買い求めいただくのに、価格も心がうごく大切な要素。
大島紬だから絣。
大島紬だから泥染。
それから抜けだそう。
そして、着物好きが大好きな「帯」を引き立てよう。
そんな大島紬を目指したら「引き算」の柄にたどり着きました。その結果価格も下げる事が出来たのです。
大島紬のアイデンティティーといっても過言ではない絣や泥染から一旦、抜け出してものづくりをしよう!
すごい勇気だと思います!
そして、
着物が好きな人がコーディネートや着回しが楽しめるよう、帯を引き立てるような引き算の柄にして・・・
その結果、価格を下げることができたなんて!
本当に頭が下がる思いです。
着物は価格だけで比べたら洋服より高額です。
価格も大切な要素だと私も思います。
しかも、
お値打ちに抑える
↓
コスト抑える
↓
原料を安く
というわけでは決してないんですよ!
とにかくお客様の求めるものを「聞き」、その声をもとに試行錯誤しながら製作することで、色やデザイン、価格が両立する着地点を見つけた。
そのことを諦めずにやりきられた、そして今もやり続けておられる姿勢、若い職人さんとの出会いによりどんどん進化していくプロセスに私はモーレツに感動しています!
何を残して、何を変えていくのか、その見極めはとても難しいと思うのですが、現場に出てお客様と向き合うことで福原さんの大島紬が磨かれていったんだな・・と感じています。
今回、お話を聞いて感じたのですが、
「伝統や文化、技術が残っていくこと」と「いきものが生き残っていくこと」って一緒なんだな・・・」と。
実際 2020年からのコロナ禍の中でも
「強いものが生き残るのではない。変化できるものだけが生き残ることができる」
ということを耳にするようになりました。
このタイミングでの福原さんからお話をうかがい、まさに「環境にあわせて変化できるしなやかさ」を体現されている!と感じえざるを得ませんでした。
変化することは大変な勇気がいります。
長い歴史や伝統に裏打ちされたものは特に・・・
勇気をもって変化したからこそ、福原さんの大島紬は着物が好きな人の心に響き、愛され、支持されていったのですね。
助演女優のような大島紬でありたい
「助演女優のような大島紬でありたい」
福原さんがご自身の大島紬についてお話されるときにそうおっしゃいます。
この言葉の意味は
「大島紬をお召しになる方が主役」
ということです。
案外この感覚って作り手さんや売り手はついついおきざりに・・・となることが多いそうです。
それだけ力を入れて作ってくださっている、
自分がいいと思ったものを伝えたい、
という強い気持ちがあることだと思います。
ただ、着物は「着るもの」ですから、実際にお召しになっていただいてなんぼ・・・という観点はとても大切だと思います!
福原さんの大島紬は「シンプルさが身上」とおっしゃるのですが、
それは着る人を引き立てるため、帯を引き立てるため。
大島紬の特徴である 絣を抜き、泥染をしない、
また、さりげなく光る金の糸をつかう…
まさに「引き算のものづくり」です。
福原さんが大島紬の伝統や個性をいまの時代の求められることに昇華させているお姿に、私はいつも尊敬と感謝でいっぱいです!
引き算のものづくり、そぎ落としてシンプルにするというのは、加えることよりも難しいのです。
私はいままでのべ3000人のお客様のスタイリングをさせていただき、そぎ落としていくことの難しさを身をもって感じています。
それは「本質」を捉えていないとできないことだと思います。
福原さんの生の声をみなさんにお届けしますね!
「紬のふくはら」の大島紬はシンプルさが身上です
帯を邪魔しない
着る人よりも出しゃばらない
コーディネイトを邪魔しない
柄をできるだけ除き、色使いは単色に
糸は、真綿糸やリング糸の遊びも
縞に格子、蚊絣、雪輪、麻型、亀甲・・・・・
いわゆる昔からある「織物の柄」が基本です
だけど、手は抜きません
それは着る人を引き立てるため、帯を引き立てるため
そんな大島紬でありたいと私どもは考えます
紬のふくはら ウェブサイトより
大島紬には1300年という歴史と伝統があります。
泥染職人さん、絣づくり職人さん、織工さん。
それぞれの苦労はさりげなく、
そんな「洒落もの」を提案し続けたい、と福原さんはおっしゃっておられました。
まだ進化の途中。
皆さまも「こんな大島紬着たい」というイメージやアイデアをぜひお伝え下さい!!
いかがでしたか?
福原さんの手掛けておられる大島紬がどんなものか
非力な文章ではありますがお伝えできていたら嬉しいです^^
大島紬がもともとどんなものか?
これをわかったうえで福原さんの大島紬を見ていただくと
その魅力や面白さをより感じられると思います。
時代にあわせてバージョンアップしている福原さんの大島紬。
着物がお好きな方にご紹介させていただきたいと思います。
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“福ちゃん&アッコの大島紬白熱教室 season4”
2023年 5月19日(金)から21(日)まで開催
5月18日木曜日は午後から準備ができ次第
福原さんと二人でインスタライブも開催します!
是非みてくださーい^^
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