《写真で解説》期間中1日1コーデを特集します!大島紬のコーディネート【福ちゃん&アッコの大島紬 白熱教室】
今回開催します
“福ちゃん&アッコの大島紬 白熱教室”
今回はご要望の多いコーディネートについて書きます!
期間中、この記事は1日1コーディネートのペースで毎日更新されますのでお楽しみ〜!
この記事は
きものに興味のある方、
イベントの前に福原さんの大島紬をちょっと知りたい、
イベントに行きたいけど行けなさそう。。泣
という方のために書いています。
それって本当に大島紬なの⁉︎
大島紬 Kirico ✖️ 刺繍の名古屋帯
一見、無地に見えますが
光線の当たり具合、見る角度によって切子のようなカット文様が浮き出て見えます。
Kirico(きりこ)
この文様がゆらゆらと美しい一枚です。
今回揃えていただいたKiricoの中でもひときわ輝きを放つのは白。
うららかな春の日差しをうけて まばゆいばかりのオーラが漂ってきそうです。
私は個人的に白✖️白の組み合わせは季節を問わず大好きで、得意なスタイリングなのですが、
可憐で繊細な刺繍をスマートに受けられる大島紬ってすごいなと思ってしまいます。
色をたくさん入れないコーディネートの場合、
奥行きが表現できるよう質感の組み合わせも大切にすると表情豊かな仕上がりになります。
KIricoはたて糸をよろけさせることによる糸の動き、よこ糸はグラデーションの色使いをするという技法でおられているのですが、
大島紬の特徴である光沢感を生かして織ることで華やかさが全開!
みなさん、大島紬ということが信じられない・・・というご様子でした。
可憐で甘めのテイストを表現したかったので、
帯揚げはやや濃い珊瑚色の段ぼかし
帯締めは若菜色の二分紐に透明感のある帯留め
帯揚げはぼかしの“ぼけあし” = 色が濃淡が変わっていく部分
を上手に出せるとなお奥行きが表現できると思います。
着物は平面的で直線裁ちの衣を体に巻きつけて着るものです。のっぺり見えるのは地色や色あわせが似合ってない証拠。
奥行きや立体感を意識したコーディネートが肝要です!
帯揚げは黄み系の桃色だと甘く可愛らしい雰囲気に
青み系の桜色だと春のかすみの空気感がでてすっきり大人っぽい雰囲気が演出できると思います。
和装洋装問わず、白という色は “きちんと感” が演出できる色。
着物をおしゃれ着として着るようになったいま、季節を問わず味方につけたい色です^^
大島紬なのに金糸⁉︎
大島紬 Luce ✖️ 染め帯 Sante!
福原さんの創作大島紬でも私にとってインパクト大な
Luce(ルーチェ)
大島紬でも金糸がさりげなく光ります。
カジュアルなパーティーやホテルでのお食事にぴったり!
なぜなら、この金糸、自然光よりスポットライトで光ります。
みなさん「大島紬なのに金糸って ピンとこない・・・」とおっしゃるのですが、
実際に見ていただくと「カッコいいね〜!」と盛り上がります。
このLuce、ここ数年見ないなぁ・・・と思っていたのですが
今年復活! しかも金糸が引き立つボルドーと再会!!
ボルドー色は福原さんご自身も「思い入れのある色」とおっしゃっておられ
完成度の高い仕上がりです。
ちなみにボルドーは“Bordeaux”
フランスワインの産地で世界でも最も高名で偉大なワイン産地のひとつ。
ボルドーは赤いワインの色、しかも芳醇で濃厚なワインをイメージさせます。
そこで今回のコーディネートは・・・
Luce ✖️ sante! (サンテ)
着物 大島紬(紬のふくはら)
名古屋帯 染め帯
帯揚げ 横段ぼかし シアンブルー(衿秀)
帯締め ぼかし (衿秀)
Sante! はフランス語で「乾杯!」という意味です。
秘色(ひそく)の地色にぶどうがグラスに入るとワインになっているという大人の遊び心ある染め帯です。
写真では見づらいんですが・・・
グラスの上に金のラインがくるくると描いてあり、
Luceの金糸と相まってステキな取り合わせだと思います。
写真は茶系に映るのですが
実物は赤みがあり大人の色。まさに“Bordeaux”です!!
大島紬は紬の中でも光沢があります。
その光沢があってこそボルドーの色味と金糸が生きてくるのですね!
マットで光を吸収してしまう紬でLuceは成立しないんだなと思います。
このLuce、30代の職人さんが手掛けておられるとのこと。
いまは大島紬を織っておられる方なのですが、家業を継がれる前は京都でも有数の友禅の工房で修行されたとのことで色の感度が抜群です!
Luceとはイタリア語で光を意味するのですが
光と言ってもピカー!ではなく
キラキラという「輝き」のイメージです。
昼間と言うより夜のお出かけにぴったりな一枚です。
個人的には帯揚げのシアンブルーがポイントです。
シアンとは赤みがかからない明るい緑味のある青色。
ボルドーがきれいに見える大人の青色を選んでみました。
草木染め大島紬✖️染め帯「松韻」
最後に今回福原さんと挑戦させていただいたインスタライブで
着用していたこの組み合わせをご紹介しますね。
着物 草木染めの大島紬(紬のふくはら)
名古屋帯 染め帯「松韻」(品川恭子 作)
帯揚げ 輪出し 紅白(一脇)
帯締め 冠組(一脇)
帯まわりアップ↓
着画↓
今回は初のインスタライブだったので
日本古来の伝統的なお祝いの図案と色
- 松
- 紅白
そして新時代の幕開けを象徴する色といわれる
- ターコイズ
という組み合わせでめでたさ全開!にしてみました。
福原さんの大島紬は草木染めで、絣で麻の葉が織り上げてあります。
優しい色目ですが、絣での文様がしっかりしていて存在感を感じます。
帯も「松韻(しょういん)」というご銘があり、図案の「松」と「黒」という色目で重さを感じさせるものを選んでみました!
私は染め帯が大好きなので、自分らしい組み合わせかな・・・と思います^^
ターコイズの帯締めをあわせた瞬間に松の中の青鈍色(あおにびいろ)の青みが立ってきたので 今回はこの帯締めにしてみました。
写真ではターコイズの青みが強くでてしまいますが
着てみると気になりませんでした。
ちなみに節分では・・・
帯は同じく染め帯
山葵色(わさびいろ)に梅の図案
帯揚げは紅白の輪だし
帯締めは紅碧(べにみどり)色
お正月は・・・
同じ帯と帯揚げで
帯締めは赤丹(あかに)色
ちなみにお太鼓は しっかりとした梅の図案です。
染め帯は柔らかさがありエレガントな印象になります。
紬との相性抜群で、塩瀬の落ち感と相まって織の帯よりまろやかさが出せると思います。
ただ季節感が強いものは着られる時期が決まってしまい、
一年のうち一ヶ月ほどしか着られません。
どちらも重めの図案の染め帯ですが
福原さんの大島紬、しっかりと受け止めてくれています。
私が思う着こなしのポイントは
着物も帯も色づかいのバランスはもちろんですが
図案や加工の重さのバランスも大切だと考えています。
どちらか一方が極端に軽く、どちらか一方が極端に重たい・・・
という組み合わせでは見る側の立場になればどことなく違和感を感じてしまうことに・・・
写真で見るにはそれほど気にならなくても、
実物を自分の目で見るとそのバランスは気になるものですね。
これは完全に私の主観ですが・・・
絣の細かい手織りの着物はすごく存在感があり、
手仕事のエネルギーの濃さを感じます。
着物と帯の組み合わせがエネルギーを受け止めるものなのか、はたまた がっぷり四つでぶつかりあうのか・・・
個人的な考えではありますが着物のコーディネートのおもしろさのひとつです。
ちなみに「重厚感」「重さ」があるものを軽やかに着られるようには
人生経験、いわゆる「年輪」が必要です。。
ワタクシもまだまだ道半ば。
日々精進したいと思います。笑
いかがでしたか?
私自身、絣を括り、車輪梅と泥や藍で染めた糸で文様を織りだす伝統的な大島紬の世界は大好きです!
ですが期間中、大島紬の多様性に魅せられていました・・・
みなさんおっしゃっておられたのが、
『これも大島紬なの〜⁉︎』
私も色づかいや織り方、意匠をアレンジすることでこんなに多彩な表現ができることに感動していました!
おしゃれ着として着物を着ることが増えた現代には
あるときはスマートなスーツとして・・・
あるときは可憐なワンピース感覚で・・・
あるときはゴージャスなドレスのように・・・
着ていくシーンや目的によって、帯や小物合わせでその場の自分を演出できる福原さんの大島紬はマルチな一枚だと実感しています。
カジュアル以上、フォーマル未満の社交着としての“ソシアル大島紬”は非常に実用的な一枚ですね!
面白いことに、福原さんの大島紬で「大島紬」にハマった方は
絣の大島紬に帰っていくんですよ。まさに原点回帰。
今年はあまり特集できなかったのですが
次回は絣の大島紬の世界もお伝えできたらいいな・・・と思っています。
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“福ちゃん&アッコの大島紬白熱教室 season4”
2021年 2月19日(金)から21(日)まで開催
2月18日(木)午後には
福原さんと二人でインスタライブも開催しました!
ぜひ見てくださーい^^
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