友禅染めの魅力から紐解きます!私が大人の女性に染めの着物をオススメしたくなってしまう理由
この記事はきものに興味のある方むけて書いています^^
着物が好きな人は「染めの着物が好き!」という方が多いですね。
そこで染めの着物や帯って一体どんなものなのかを考えてみたいと思います。
染めの着物って一体ナニ?
染めの着物は
白く織られた生地の上に柄を描き、色を染めて作られたものをいいます。
染めの着物で一番おなじみなのは『振袖』なのではないでしょうか?
式服、いわゆるフォーマルシーンの着物
・振袖(ふりそで)
・留袖(とめそで)
・黒紋付(くろもんつき)
・訪問着(ほうもんぎ)
・附下(つけさげ)
・色無地(いろむじ)
は“染めの着物”です。
染めの着物は“着物を着たことがある”という方であれば一度は袖を通したことがあるはず!
七五三の時に着る着物も染めものです。
染めの着物=友禅染め
“染めの着物”の“染め”とは一般的に“友禅染め”
と言われます。
友禅染め!
その言葉なら聞いたことがあります。
友禅染とは・・・
江戸時代に発達した日本を代表する文様染(もんようぞめ)です。
江戸時代の京の扇絵師・宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)によって考案されたためこう呼ばれます。色の混合を防ぐために糊を用いるのが特徴で、
「友禅模様」と呼ばれる曲線的で簡略化された動植物、器物、風景などの文様を多彩で華麗な絵文様を描き出すことができます。
Wikipediaより抜粋
白い生地に豪華な図案が描かれた着物ということですね。
その多彩な色彩を生み出せるのは“糊(のり)”
模様の輪郭に沿って糸のように細く糊を置き、色と色が混じらないようにする技術
糊糸目(のりいとめ)
↑色と色の境目にある白い線ことを指します
この技術が完成されたことでたくさんの色を使っても色同士が混じり合うことなく鮮やかに柄を描くことができるようになりました。
こののり糸目の技法を使って友禅染めをしている産地といえば
- 京友禅(京都府)
- 加賀友禅(石川県)
- 東京友禅(東京都)
他にも新潟県十日町市や愛知県名古屋市でも染められています。
ちなみに・・・
白い生地を織ったあとに色柄を染める友禅の着物は“染めもの”(そめもの)
一方、
糸の段階で染めてから織る紬の着物を“織物”(おりもの)と
大まかに分けて呼びます。
大島紬や結城紬などの織物は、
織る前に先に糸を染めて織るときに糸と糸の交わりで柄を織っていくことが基本になっています。
そのため、柄の織り方を考えて糸を染めます。
“着物”と一口にいっても作られる工程は全く違うのものです。
ここに注目!友禅の着物の魅力
私が友禅をはじめとする染めの着物の魅力だと思うところをふたつご紹介します。
魅力その①鮮やかな色づかい
友禅染めの特徴といえば
華やかで多彩な色づかい
友禅の着物は色彩豊かで鮮やかでですが、周りの人を遠ざけるような派手さではないのです。
季節の移り変わりにより育まれた日本の色彩。
繊細な色づかいにより表現されるうつくしさは友禅染めの魅力のひとつだと思います。
お洋服でちょっと華やかなスタイルに抵抗がある方でも、着物なら色づかいがキレイなものを着てみたいわ・・・という思いを叶えてくれます。
着物だけでなく、名古屋帯もありますし^^
その色彩のうつくしさを支える技術が
糊糸目(のりいとめ)
柄の線の上にほそ〜く糊をおくことで、
接近した色と色が混ざらないよう防染する技術です。
ひとつひとつの柄の色が鮮やかに際立つことで
まるで日本画のような美しい色彩で描くことができます。
私は独身の頃に数年間、名古屋友禅を習っていました。
糊糸目の工程も自分でやりました。
白い生地に下絵を移し、
その上をコルネ状の入れ物に入った糊でたどっていきます。
先生がやっていると簡単そうに見えるのですが
イザ!自分でやってみると とても難しいです。笑
最初のうちは根を詰めて息が止まっていたり、引く線がデコボコしたり・・・
華麗に線を引いていく先生や職人さんの偉大さを実感しました。
本当に上手な職人さんはただ下絵をたどるだけではなく
線の緩急や間の取り方が自由自在!
線を引いていくことだけで、それだけでも柄に表情が出て
糸目糊だけで図案を描くこともあるぐらいなんです!
↑糸目糊だけで描かれた「松」
↑糸目糊で描く『波』
そういうことが感じられるようになってから
どんどん友禅の面白さや魅力に引き込まれていきました。
魅力その② 美しい絹の光沢
友禅という技法で着物を「染める」=「描く」のですから
白い生地に染めます。
そしての白生地は
- 綸子(りんず)
- ちりめん
など織り方によって光沢感が変わります。
光沢の具合も
見てすぐわかるぐらいの光沢もあれば、
染料で染められてはじめて浮きでてくるような光沢もあります。
その光沢は
ピカピカ
と言うより
ツヤツヤ❤︎
という感じでしょうか
(多いに個人的見解です。笑)
そしてこの光沢、
ワタクシを含む40代以上の女性には嬉しい効果があります。
それは光沢によって
顔映り(かおうつり)がよく見えるということ。
私は自分が着物を着るとき、
お客様にご提案させていただくとき、
一番大切にしているポイントは
顔映りです。
なぜなら、
着物を着ているとき、
面積として一番大きく出ている体のパーツは・・・
お顔です。
そして、
対面したときに自分の目にパッと入ってくるのも・・・
逆に
お相手に見られるもの・・・
お顔
いかに顔映りをよく見せるかは
着物すがたの肝(キモ)
といってもいいほどです。
そして、
この顔映りを左右するのは・・・
顔に近い部分、
要は
衿元や肩まわりの色と光沢感です!
絹の持つ自然な光沢には軽いレフ板効果のような役割があります。
自分に似合った着物を着ていると
このさりげないレフ板効果に助けてもらいながら
- 顔のツヤ
- くすみのない明るさ
- 健康的なイメージ
をごくごく自然に演出することができます。
そういう点で大人の女性が着物を着るメリットって大きい!笑
と思います。
ただし、
光沢感があればいいというわけではなく・・・
自分にあう光沢感、
そして色とのバランスが大切です!
光沢感がある、光沢感がありすぎる、という場合
かえって顔がくすんで見える・・・
という方もおられるので注意が必要です。
自分ではわからない・・・
という場合はお気軽にご相談ください^^
いかがでしたか?
友禅の着物はフォーマルシーンで着ることが多いぶん、
着物の中でも比較的なじみ深いものだと思います。
友禅染めがどのようなものかさわりだけでもわかると
今までとは着物を見るポイントが変わってくるんじゃないかな・・・
と思います。
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