【若女将アッコの結城紬白熱教室】結城紬ってどんな着物?《本場結城紬》

日本全国に紬を織っている産地がたくさんあります。
今回の個展では結城紬を特集してお届けしたいと思います。

 

この記事は

  • きものに興味のある方
  • イベントの前に紬を結城紬ちょっと知りたい
  • イベントに行きたいけど行けなさそう。。泣

という方のために書いています。

 

みんなのあこがれ❤︎結城紬

結城紬。魅惑の着物ですね。

 

着物が好きな方、よく着られる方は
『結城紬』と聞くだけでそわそわしてしまうかも知れません。

 

いまとなっては着物の最高峰であり
『いつかは欲しい』
『長年の自分へのご褒美で買う!』
というお声が私のもとにはよーく聞こえてきます。笑

若女将アッコ

「結城紬」とひとくちに言っても

・本場結城紬
・いしげ結城

などなどいろありますよね。

糸も
真綿手つむぎ糸、
石下の手紡糸、
など紡ぎ方がいろいろ。

織り方も手織りのほか機械織りもあり

値段も10万円代から
そこそこの車一台分とか・・・!!

何がどうちがって価格がどう変わるのかが
なかなかわかりにくい着物だと思います。

この記事では結城紬ってどんな着物なのか?
特に本場結城紬についてをお伝えしたいと思います。

結城紬ってどんな着物?

結城紬は
『ゆうきつむぎ』と読みます。

 

その中でも「本場結城紬」は
茨城県西部の結城市を中心に、栃木県の小山市など鬼怒川流域で主に生産されています。

 

結城紬の最高峰
本場結城紬

結城紬のなかでも
「着物が好きな方の憧れの一枚」というのは
この本場結城紬ではないでしょうか?

 

本場結城紬は
「ほんばゆうきつむぎ」と読みます。

 

本場結城紬は

  • 真綿手紬糸(まわたてつむぎいと)を用いる
  • 絣を手括り(てくくり)による
  • 地機(じばた)か高機(たかはた)による手織り

が特徴です。

 

特に以下の3点の技術をもって作られた本場結城紬は布の最高峰。
国指定の重要無形文化財となります。

 

  • 使用する糸はすべて、
    真綿より手つむぎした撚りの掛からない無撚糸を使用すること

     

  • 絣模様を付ける場合は手くびりによること

     

  • 地機で織ること

※写真は全て本場結城紬卸商協同組合より

 

この3つの工程は道具は使えど完全に人の手によるものなので
一年かけて一反物が織り上がるかどうか・・・

 

恐ろしいほどの手間と時間がかかっているため
本場結城紬のなかでもさらに価値の高い=価格も高いものになります。

 

さらにその中でも
文様である絣(かすり)が細かければ細かいほど、
絣の分量が多ければ多くなるほど、
一反にかかる手間が増えていき、価値が高くなっていきます。

 

本物の「本場結城紬」の証明である証紙

本場結城紬として生産された証明である「証紙(しょうし)」

日本には産地産地でたくさん紬が織られていますが
そのなかでも結城紬が一番わかりにくいかもしれません。

 

結城紬の証紙は

  • どのような糸を使い
  • どのように織られ方されていて
  • どこの産地問屋さんのものか

などの情報を目でみてわかるように表しているものです。

 

反物の左端から右端に向かって以下の証紙が貼ってあります。

 

 

 

この証紙は
重要無形文化財指定の技法が用いられたか否かに関わらず、
本場結城紬として生産された反物は全て同様に検査され、
長さ、打ち込み数、色斑の有無や堅牢度など15項目の規定を
満たしたものにのみ合格証紙が貼付され割印が押される
                        本場結城紬卸商協同組合HPより

 

 

その証紙は4通りあります。


   

上の一覧は本場結城紬卸商協同組合HPに掲載されているものです。

 

織物の組織の特徴である

  • 平織り(ひらおり)
  • 縮織り(ちぢみおり)

織り方の特徴である

  • 地機(じばた)
  • 高機(たかはた)

それぞれを組み合わせて4つの種類に分けられています。

 

本場結城紬の証紙は
赤文字の部分が「結」であること

 

糸の品質表示が「真綿手紬糸(まわたてつむぎいと)」

 

織り方を示す証紙が
落ち着いた緑色が「地機(じばた)」
明るめの茶色が「高機(たかはた)」


写真の証紙は地機の証明

という3点がポイントです。ぜひ覚えておいてください。

 

若女将アッコ

「本場結城紬」とひとくちにいっても
気になるポイントはたくさんありますね。

その中でも

・糸の絣をくくるの数
・絣の分量
・地機か?高機か?
 どちらの織り方をしているのか?

その組み合わせにより手間が変わってくる
=価値が変わってくる

というのが本場結城紬を理解するポイントになりそうですね!

 

また、結城紬は本場結城紬のほかに
結城郡の旧石下町(現在は常総市)でも「いしげ結城紬」が作られています。

こちらも読んでいただくと
それぞれの違いがよりわかっていただけると思います。

こちらも参考になさってください。