九月九日は重陽の節句。霊験あらたかな菊の花はじつはお祝いの花!

九月九日は「重陽の節句」

 
『重陽』は『ちょうよう』と読みます。
 
 
 
五節句のなかでもあまり馴染みはないお節句なのですが
古来から中国では、奇数が重なる日は縁起が良い日と考えられています。
 

九は陽の最大数

『九』は1番大きな奇数。
陰陽で考える陽で一番大きな数で、陽のエネルギーが最大になるとされています。
 

その『九』が重なる九月九日は特におめでたい日と考えられています。

 

 

お節句には必ず邪気を払う草木が登場しますが
この重陽の節句の厄を払うのは菊の花

菊は昔の中国では不老不死の霊験あらたかな薬草と信じられており、

重陽の節句では、菊の花を飾ったり、菊酒を飲むことで
邪気払い健康、長寿を祈りました。

 

菊の柄の着物は一年中着ていい

そんな菊の花は節句の厄払いの花であり、おめでたいお花なので、
昔から着物や帯に菊の花の柄を描くということはよくあります。

 

 

 

 

若女将アッコ

菊の柄は秋のイメージを持ちますが
じつはお祝いの意味を持つお花でとても高貴な柄です。

お祝いの要素がつよいシーンであれば、じつは一年中着てもいい柄です。

とはいえ、
そのことを周りの方がご存じない場合も多いので
実際のところ着づらい・・・というお声はもっともだと思います。

菊の花の柄を着こなすには・・・

では『菊の花が好きだから季節を問わずに着たい』
という場合はどうするのがスマートでしょうか?

若女将アッコ

ポイントは・・・
ズバリ色に注目です!

 

着物の色彩の色目に気をつける

日本人は昔から衣食住で一番気をつけていることは
季節感です。

 

なので同じテーマの柄でも
一年中着てもいい色彩と一年中着づらい色彩があると思います。

 

先ほどの3点の菊の柄で考えてみましょう。

季節が限られる色調

澄んだ秋の空気を感じさせる配色は
9月から11月に着る方が季節感を意識していることが伝わり
『この人は着なれている人なんだなぁ〜』と思っていただけます。

 

上の写真は着物の柄なのですが
着ていける席が限られてしまう可能性が大きいので
一枚目の着物としてご購入される場合はあまりオススメしません。

 

逆に、
季節感を表現しやすいので
期間限定で季節を表現する“染め帯”などで着られると
素敵ですね!


季節感をあまり問わない色調

写真の2点はどちらも附下(つけさげ)という
礼装から準礼装というフォーマルよりの着物ですが
色彩に鮮やかさがあるのできあまり季節を問いません。

 

 



他に梅や桜、椿なども一緒に描かれているので
季節を問わずお祝い事のお席にはぴったりです。


入学式・卒業式、結婚式ばかりでなく
ご贔屓の歌舞伎役者さんの襲名披露公演に着ていくのも
なかなかオツだと思います。

 



いかがでしたか?

  • 重陽の節句で邪気を払う草木は“菊”であること
  • 菊の着物はお祝いの意味があるので季節を問わず着てもいいこと
  • ポイントとしては色彩に気をつけていただくといいこと

をお伝えしました。

 

重陽の節句は節句の中では
あまりなじみがないものですが

せっかくならお酒に菊の花びらを浮かべて菊酒で邪気を払う・・・というのも雅な気分になれそうです。

ぜひ日本人だからこそできる季節の味わい方を楽しんでただけたらと思います^^