【実践レポート】ゆかたって自分で洗えるの⁉︎ はじめてさんでもできるゆかたの洗い方
夏祭りや花火大会もひと段落。
ちょっと秋の空気を感じる季節になりましたね。
ゆかたを何度か着て、
汗もかいたし、お手入れが気になっている・・・
というお声を聞くことが増えてきました。
というわけで、今回は多くの方が気になっている
ゆかたのお手入れについて書きますね。
もくじ
ご自宅でのお手入れその前に
ご自宅でゆかたを洗っていただく場合、専門の職人さんが洗うようにはできません。
このことを頭の片隅に置いておいていただきたいと思います^^
当たり前ですが、技術や道具、環境など全てにおいて違いがあります。
ご自宅でのお洗濯は
自宅で洗って
普段に着るぐらいなら差し支えがない・・・という感覚
であることを覚えておいてください。
また、ご自宅で洗ったあとの寸法のくるいなどは
ご自身の責任でお願いしたいと思います^^
ゆかたをご自宅で洗うその前に確認すること
素材や染め方によってはご自宅でのお洗濯に向いていないものもあります。
洗ったものの後悔・・・ということがないように、
まずは汚れや素材、染料のことをチェックしましょう。
①自宅での洗濯は縮むことを心得ておく
ご自宅で水を使ってのお洗濯の場合、綿や麻素材の場合は縮みます。
もし、
「ご自宅でゆかたを洗いたい! でもちょっとでも縮みを防ぎたい」
という場合はお仕立て前にあらかじめ縮めさせる
「本湯通し(ほんゆとおし)」
という作業をすることをオススメしています。
②シミの具合を確認しよう
ご自宅で洗う場合 落とせる汚れ、落とせない汚れがあります。
ご自宅でのお手入れは 汗などの水溶性の汚れは落ちます。
ですが、
-
- たこ焼き・焼きそばのソース
- コーヒー
- ワイン
などは素人が上手にできるお手入れの範疇を超えています。
下手に自己判断で洗うより 専門家にシミぬきとしてお願いした方が失敗がないです。
「自分で汚れを落とそうとせず、 汚れがついたままの状態で預けてくれたら
キレイにシミ抜きできたのに・・・」 というのはプロの方がよくおっしゃることです。
③洗える素材なのか確認
ゆかたの生地に使われている素材は
-
- 綿
- 麻
- ポリエステル
これら
単一の素材100%でできているもの
もしくは
綿と麻のが混じったものがほとんとです。
これらのものであれば自宅でお洗濯ができます。
洗濯表示に素材は明記されているので必ず確認します。
他には 絹紅梅といって絹と綿で織られたゆかた生地があります。
こちら扱いは 気をつけてください。
なぜなら、
絹紅梅はご自宅での水洗いをすると風合いが変わります。
-
- 特徴であるパリッとした風合いがなくなってしまう
- 一度変わってしまった風合いは元には戻らない
風合いが変わってしまうのはイヤだわ・・・
という方はご自宅でのお洗濯は避けた方が無難です。
④染料を確認
つぎに染料の色落ちがないか???をチェックします。
簡単なチェックの方法は・・・
水に濡らして絞った白いタオルで柄の部分をトントンと軽く叩きます。
もし、
タオルに色が移ってしまうようであれば ご自宅でのお洗濯は避けた方が安全です。
色移りがある場合もやはりプロの方にお任せしたほうが後悔がないです!
特に
作り手さんの創作へのこだわりで 『本藍で染めましたー!』というゆかたもあります。
藍などは水につけると必ず色が滲みますので ご自宅でのお洗濯は絶対NG!です。
自宅でのお手入れに必要なもの
必要なもの
①洗濯ネット 着物洗い専用ネットがあればなおよし
②おしゃれ着洗い用 中性洗剤(エマールとかアクロンなど)
普段使っているものでもまかなえます。
ちなみに写真の「せんたく姫」は着物洗い専用ネットです。
実際に洗ってみる
ではいよいよ洗います。
①ゆかたをたたむ
洗うときは本だたみでたたみます。
ゆかたが納品されたときに入っている紙のいれもの(たとう紙・文庫)に
入っているときのたたみ方でたたみます。
ネットに入れます
本畳みでたたんだ ゆかたをネットに入れます。
着物洗い専用ネットの場合はネットの中に輪になったネットがついています。
輪の部分に畳んだゆかたを通します。
→ネットからはみ出た部分は内側に折り込みます。
→チャックをする
ネットを巻く
ネットの中で動かないように巻きます。
巻くのは水の中で生地の表面同士が擦れておこる繊維の毛羽立ちを防ぐためです。
写真の場合右側から巻いて左側の紐で固定します。
あまりにきつく巻くと巻きはじめの部分に水が通らなくなるので 加減してください。
洗濯機に入れクリーニングコースをスイッチオン!
ゆかた1枚のみ洗濯機に入れます。
他の洗濯物とは一緒にしないようにしましょう。
また洗うときには必ず水を使います。
水よりお湯のほうが縮みますので注意してください。
若女将アッコ
フタを閉めてドライコース・クリーニングコースでスイッチオン。
【ここがポイント】 脱水は10秒。手動で停止する!
脱水はしすぎるとシワの元になるので
脱水がスタートしてドラムが回転しはじめたら10数えて一旦停止ボタンを押します。
回転が止まるまでにさらに5〜10秒ぐらいかかるので
早めに切り上げることがポイントです。止まったらフタを開けてすぐ干します。
少し水が多少したたるぐらいでも大丈夫。
水がしたたるようであれば 水が垂れても平気な場所に干すか、
新聞紙やビニールシートを下に敷きます。
脱水が終わったらすぐ干す
脱水が終わったら すぐ干さないとシワになりますのでとにかく干します。
干すときは
①洗ったゆかたを着物ハンガーにかけます。
②とにかく縦を意識して伸ばします。
風通しがよく直射日光が当たらないところに干します。
直射日光に当ててしまうと紫外線により
染料が退色、色あせの原因になりますので気をつけましょう。
アイロンをかけてたたむ
乾いたらたたみます。
シワが気になればアイロンをかけてたたみます。
白い晒(さらし)や日本てぬぐいなどを当て布にしてアイロンかけると安心です。
あまりにも取れないシワがあれば 綿、麻、ポリエステル素材の場合は
スチームモードを利用してもいいですね。
アイロンをかけた場合も、アイロンの熱が取れたらたたむようにします。
ゆかたは自分で洗う? お手入れに出す? その使い分けが大切!
いかがでしょうか? ご自分で洗えそうですか?
慣れてしまえば難しいことではないのですが
はじめてやってみるときに勇気が必要だったというご意見がありました。
自分で洗うこと、プロの手を借りること それぞれ一長一短があります。
ゆかたのお手入れはその使い分けができると気楽に着やすいと思います。
サッタの場合・・・
-
- 夏のシーズン中にまだ着る機会がある場合
→自分で洗う - 講師など人前に立つシーンで着る場合
- シーズンが終わり来年の夏まで着る機会がない場合
→プロのお手入れに出す
- 夏のシーズン中にまだ着る機会がある場合
という目安でお手入れを使い分けています。
プロの方に洗っていただくメリットは洗いも仕上げもキレイ。
なのですが、デメリットはその都度お金がかかること。
一方、
自宅で洗うメリットは金銭的な負担が少ないのですが
手間がかかる、仕上げがプロのようにビシッとはできない・・・
ということがあります。
これは私の個人的感想ですが
いくら上手にアイロンをかけたとしても、
やはりプロの方にお願いしたような仕上がりにはなりません。
技術や道具が違うので当たり前ですけど・・・
洋服に置き換えてみると「男性のカッターシャツ」と同じですね。
自宅の洗濯機で洗うことはできても、あんなにパリッときれいに仕上げることは
不可能ですもん。笑
大切なゆかたです。
普段は自分で洗うことにして 一年間しまっておくときには
プロの手を借りて洗うのもひとつの選択肢です。
仕上げをきちっとしてもらった方が次回着るときに変なシワもなく、
着付けもきれいにできるので安心です。
いかがでしたか?
自分で洗うこと、プロの手を借りること それぞれ一長一短があります。
それぞれのメリット・デメリットを上手に生かして
使い分けができることがゆかたを気軽に楽しんで着ていただくコツだと思います。